決まりました。
ファニ「本当にごめんなさいねアイマルさん。うちの娘がご迷惑を・・・」
アイマル「迷惑だなんてとんでもない」
チロル「・・・(﹃ )」
魔銃で撃たれ(結構痛かった・・・)て気絶する私を抱えたまま、お母さんがアイマルさんに深々と頭を下げた。
ファニ「通りかかったら、チロルちゃんがアイマルさんに土下座してるのが見えたから何事かと思ったわ・・・」
アイマル「まさか君の娘に『弟子にしてほしい』なんて頼まれるとはね」
そう。お母さんが言うように、私は道の真ん中でアイマルさんに「弟子にして」と土下座をしたのです。
偶然ダンジョン前でアイマルさんと会い、
そのまま一緒に探索へ向かった私は一撃で魔獣を仕留める彼の強さに惹かれたのです。騎士隊長に就いていたくらいだし、強いのは当たり前なんですけどね。
突然の土下座に戸惑うアイマルさんに勢いに任せて詰め寄っていたところを、お母さんの一発を喰らって今に至ります。よくよく考えたら何してるんだ私・・・
ファニ「・・・実際どうです?チロルちゃん」
アイマル「そうだな・・・剣技は我流みたいだしまだまだ拙く見えたけど、素質は高いと感じた。流石マルチェロの娘だなと思ったよ。きちんと鍛えれば数年後にはきっと化けるよ」
ファニ「じゃあ、」
アイマル「うん、よかったら僕に任せてみてほしい」
ファニ「えぇ、もちろん。娘をよろしくお願いします」
アイマル「こちらこそよろしく。・・・マルチェロ、あっちで怒ってなかったら良いけど」
ファニ「うふふ、そうね」
チロル「・・・・・・はっ!」
ファニ「あ、やっと起きた」
チロル「イタタ・・・お母さん手加減してよ!」
アイマル「チロル。僕の弟子になりたいなら条件がある」
チロル「は、はい!なんでしょう!?」
アイマル「来年の騎兵選抜トーナメントで優勝して騎士になること。決勝で負けても再来年に騎士にはなれるけど、それじゃ駄目だ。絶対に優勝すること。いいね?」
チロル「わかりました!来年、必ず優勝して騎士になります!!」
私の将来、決まりました。