兄さん、イメチェンする。
お父さんの葬儀が終わりました。
葬儀に参加してくれた方々に挨拶を終えた私がシズニ神殿のアトリウムでボーッとしていると、誰かに肩を叩かれた。振り向くとそこにはニチェ兄さんがいた。
今年で11歳になった兄さんは壮年者の服になっていて、服も眼鏡もよく似合っているけれど一際私の目に付いたのは・・・口もとのヒゲ。
ニチェ「お疲れ様、チロルちゃん。大丈夫?」
チロル「ありがとう、私は大丈夫だよ。ところでヒゲ整えた?」
ニチェ「うん!どうかな?前より男前になった?」
チロル「・・・え?何言ってんの?」
あ、兄さんションボリしちゃった!
いや、良いと思うよ?個人の自由だし・・・でも童顔の兄さんには似合わない気がする。
ファニ「あら!ニチェ君メガネかけたの?マルチェロ君の真似?それにそのヒゲ・・・」
ニチェ「違うよ、最近視力落ちちゃって。ヒゲは・・・」
ファルマ「兄さんヒゲ似合わない(笑)」
チル「わ、私は良いと思うよ・・・!?」
ニチェ「無理に褒めなくていいよ、チルちゃん・・・」
家族からの不評で凹む兄さんを必死でフォローするチルちゃん。優しい子に育って姉としてとても嬉しいです。
ドナルド「チロル。迎えに来たよ」
チロル「・・・ん。ありがとう」
ドナルド「えーっと・・・ついでにバシアス浴場に寄って帰ろうか?」
チロル「・・・ふふ、そうしよっか!」
こんな時にバシアス浴場を選択するドナルド君に思わず笑ってしまった。私を笑わせたくてそう提案したみたいで、私が笑ったらドナルド君はホッとした表情を浮かべました。
優しいなぁ・・・ドナルド君と結婚して本当に良かった。
お父さんがいなくなって悲しいし寂しいけど、いつまでも引きずるワケにはいかない。
私にはまだ大好きな家族と、大好きなドナルド君がいる。来年産まれてくるお腹の子の為にも、前を向いて強く生きなきゃ。
私、頑張るから。ガノスから見守っていてね。お父さん。