第一子、出産。
194年9日。
一人目の出産の日となり、朝起きると私の近くに小さな天使が飛んでいました。
出産を迎える人の所に必ず現れるそうです。
うぅ、なんだか落ち着かない!
ベッドに横になってみてもソワソワするし、起き上がって料理を作ってみたり。
あぁ、畑に行きたい。でも体調が悪くて外に出られそうもない・・・・・・。
何も出来ないので結局ベッドの上で過ごしていると、ついにその時が。激しい痛みに襲われてうずくまる私の所に巫女さんがやってきた。
マルチェロ君も仕事を終わらせて急いで帰ってきてくれました。
ファニ「痛い・・・・・・まだ・・・!?」
マルチェロ「頑張れファニ!オレがついてるから・・・!」
ファニ「マルチェロ君・・・」
初めての痛みで苦しむ私の手に温かい何かが触れた。きつく閉じていた目を薄く開いてみると、切羽詰まった顔をしたマルチェロ君が見えた。
私の手に触れたのは彼の手。ギュッと握って私を励ましてくれた。なんて優しい旦那さんなんだろう。
そうだ、私にはマルチェロ君がついてくれてるんだ。こんな痛みに負けてられない!
そして。
産まれました。可愛い男の子です!
2人の名前から文字を取って『ニチェ』と名付けました。
マルチェロ「すごい・・・・・・可愛いなぁ・・・」
ファニ「ふふ、早くも親バカだね」
マルチェロ「・・・・・・ありがとう。ファニ」
ファニ「・・・・・・うん」
ニチェを抱いたマルチェロ君の目が少しうるんでいて、私まで泣いてしまいそうになりました。